Citations:好感

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Japanese citations of 好感

  • 1920, 菊池寛, 真珠夫人:
    勝平の今少し前の懺悔や告白が、かうした態度に出るまでの径路であつた――一旦|下手から説いて見て、それで行かなければ腕力に訴へる――かと思ふと、勝平に対して、懐いてゐた一時の好感は、煙のやうになくなつて、たゞ苦い苦い憎悪の滓|丈が、残つてゐた。
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  • 1922, 内藤鳴雪, 鳴雪自叙伝:
    これも我々松山人には聞伝えて頗る好感を与えた。
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  • 1924, 南部修太郎, 霧の夜に:
    やるだけやるさ……」かう云つたKに顏を見合せて笑つた時、傍の老人はそれを自分に對する好感の表現とでも思つたのか、同時に快活に笑つた。
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  • 1924, 豊島与志雄, 道連:
    その代り僕の方でも、同級の或る男に目をつけていた………と云っちゃ語弊があるが、まあその男に好感を持ってたものだ。
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  • 1925, 徳田秋声, 挿話:
    それでなくとも辰之助の母である道太の第一の姉には、お絹たちはあまり好感をもたれていなかったし、持ってもいなかった。
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  • 1925, 芥川龍之介, 続澄江堂雑記:
    後者に好感を与へたのは勿論彼女|一人である。
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  • 1925, 豊島与志雄, 香奠:
    で私は、折角彼に好感を持ち初めたのに、変にそぐわない気持になって、苦笑を洩しながら云いました。
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  • 1927, 幸田露伴, 華嚴瀧:
    一浴して晝餐を取ると、村の人々が東京日日に對する好感を表示して訪うてくれた。
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  • 1927, 甲賀三郎, 支倉事件:
    上願書中には全然排斥して終う事の出来ない節があり、判事も無下に退ける事が出来ないかと思われたが、彼が未決監で大福餠々々と連呼して気狂いを装うた事や、合監の者に五千円を与えると云う証書を与えて、殺して呉れと頼んだり、その事が又自殺の宣伝のように取れたり、或いはクルリ/\と陳述を変えて見たり、何一つとして予審判事に好感を与えていないので、予審の結果は最早望み少きものになった。
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  • 1927, 宮本百合子, 是は現実的な感想:
    真柄さんは獄中の事実を書く時、生来の陽気性と親ゆずりの鈍感性のため、獄中生活が一生を左右する程のききめをもたなかったから、さも親しそうに監獄の生活について話せると云っておられるが、全文に微妙な神経質さ、嫌悪、その反動としての皮肉的語気が仄見えている、彼女の矢張り監獄は辛いところだという意見が正直で人間的で私に好感を与えた。
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  • 1928, 内田魯庵, 八犬伝談余:
    正面から馬琴に怨声を放って挑戦したのは京山一人であったが、少なくも馬琴が作者間に孤立していて余り交際しなかった一事に徴するも、馬琴に対して余り好感を持つものがなかったのは推測られる。
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  • 1928, 中原中也, 生と歌:
    ――その声にともかくも好感を懐いた人達の或者は、感傷的な道徳家となり、他の或者は批評主義派になつてしまつた。
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  • 1929, 三上義夫, 芸術と数学及び科学:
    円柱のエンタシスが、かくギリシアと日本とで別々に作られたものであり、そうして他の国々には見られぬものであって、かつこのエンタシスはすこぶる見た目に好感を与えるものとすれば、ギリシアと並んでこれを用いたわが祖先の美感覚の鋭、かつ敏であったことの一証とするに足るであろう。
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  • 1930, 上村松園, 思ひ出:
    それからは、先方も大変、好感を有つて見せてくれるやうになりました。
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  • 1930, 国枝史郎, 十二神貝十郎手柄話:
    もちろん日本語で云ったのであるから、カランスには意味は解らなかったが、お島の態度のつつましさが、その好感を招いたらしく、彼は頷いて微笑をした。
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  • 1931, 服部之総, 尊攘戦略史:
    元来英国は、文化年間のフェートン号事件以降オランダの反英的忠告も手伝って、開港前すでに幕府に好感はもたれていなかった。
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  • 1931, 国枝史郎, 赤げっと 支那あちこち:
    その公会堂は、中華民国の建築様式を多分に取り入れたもので、租借地に存在する建物としては洵に好感の持てるものであった。
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  • 1932, 坂口安吾, 群集の人:
    老若男女を問はず若干の好奇心や好感の動いた場合にすることであるが、それとても無論軽い其場限りの悪戯で、その人々の印象を明日の日に残すことさへ稀であつた。
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  • 1932, 牧野信一, ひとりごと:
    これはどうも常規を脱して俺は俺の酒を罵つてばかりゐるが、そして白面の俺に好意をもつても誰ひとりとして俺の酔態を許した者とてもなかつたところが、あの「自然と純粋」の著者は、――余は寧ろ君の酔態に好感を持つ云々といふやうなことを云つて俺を驚かせた。
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  • 1934, 大阪圭吉, とむらい機関車:
    そして人々は、この髭男の感傷に対して、一様に真面目な好感を抱く様になって来たんです。
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  • 1935, 岡本綺堂, 明治劇談 ランプの下にて:
    いずれにしても、そうした悪意の名称がたちまち世間に伝播して、今日に至るまでも取消されないのを見ても、かの活歴なるものが世間一般から好感を以て迎えられなかったことが想像される。
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  • 1935, 牧野信一, 浅原六朗抄:
    不思議なことにわたしは学生時代から、彼のさういふ癖に、最初の好感と信頼に似たものを感じ、何んな類ひのことを喋舌つても後で不安がないのである。
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  • 1935, 牧野信一, 浪曼的時評:
    葉山嘉樹氏の「寝鳥」は余程投げやりな書き振りではあるが、それはこの作家の寧ろ豪快味に富んだ性格的のものであらうし、その特質に覚ゆる好感は満足された。
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  • 1935, 牧野信一, 浪曼的月評:
    殊にわたしは、その第一頁のところに、何か予期しなかつた類ひの好感を持たされた。
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  • 1935, 寺田寅彦, 柿の種:
    そう思うと太鼓の人に対するある好感をいだかせられる。
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  • 1935, 岡本かの子, 健康三題:
    それも妙な意味の好かれ方でなく、ただ何となく好感が持てるという極めてあっさりしたものらしかった。
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  • 1936, 坂口安吾, 狼園:
    ありていを語れば、この婦人の人柄が甚だ私の好感に訴へるところがあるとはいへ、今語り得た以上にまで印象をまとめ、その気質や性格を突きとめる誠実なる情熱が私にとつては全く必要なものではなかつたのだ。
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  • 1936, 折口信夫, 村で見た黒川能:
    ところが東京では、狂言に出てくる方言、或は方言的発音に好感を持たなかつたやうに聞いてゐる。
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  • 1937, 宮本百合子, 作家のみた科学者の文学的活動:
    の演奏ぶりなどにはなかなか近親者に忘れがたい好感を与えるユーモアがあふれていたようである。
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  • 1937, 岡本かの子, 明暗:
    智子も始は、若年の医者豊雄に好感を持っていた。
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  • 1937, 久生十蘭, 魔都:
    こういうわけだから、皇帝としてはどうしたって日本に好感を持たれる筈がない。
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  • 1938, 田中貢太郎, 法華僧の怪異:
    名音はこんなに早くては住持様が迷惑するだろうと思ったが、男の態度に好感が持てたので、住持に取りついだ。
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  • 1938, 豊島与志雄, 在学理由:
    そして如何なる雑談の折にも、彼がはっきりした断定の言葉を吐露するのを、吉村は見落さず、次第に好感がもてるようになった。
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  • 1939, 宮本百合子, 日々の映り:
    乙女が勤めを大切に思うことを、ひろ子は寧ろ好感でうけた。
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  • 1940, 宮本百合子, 市民の生活と科学:
    人生に対する娘さんのなだらかなその心持はいかにも好感がもてるのだけれど、そこには何となしもう一寸ひっかかって来るものが残されていて、そういう一つの女の才能が、娘さんの人生へのなだらかな態度と渾然一致したものとして専門的にまで成熟させられ切れない、現在の女の社会での在りようや文化の性質に思いが致されるのである。
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  • 1940, 国枝史郎, 印度の詩人:
    彼の戯曲も、その素朴の構成などは、アイルランド劇に似通うものがあって好感は持てたがあまりに迫力に乏しく、とらえどころのないという点で嬉しくなかった。
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  • 1941, 国枝史郎, 今昔茶話:
    ビスマルクとゴルチャコフとは、それ以前から親交があったというのは、ビスマルクが露西亜駐剳の独逸大使としてペテルスブルグにいた時、ゴルチャコフは、その露西亜の宰相であり、皇帝の無二の寵臣であり、欧洲最大の政治家、且、大外交家として、国内にありては飛鳥をおとすような勢力を持ち、国外に於ては「政治外交の神様」とまで謳われていたところから、ビスマルクは、ほとんど師事するような態度で、ゴルチャコフに接し、その政治ぶりと外交ぶりとを自家の薬籠にとり入れ、ゴルチャコフも、その真摯な若きビスマルクの態度に好感を寄せ、何かと世話をしてやったからである。
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  • 1943, 正岡容, 随筆 寄席風俗:
    あの男の百面相ほど、まずい、智恵のない、しかし好感のものはない。
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  • 1946, 神西清, 灰色の眼の女:
    だがあの男が何をしたといふのだらう? 十吉は仕事が離れてゐるので、別に深い交渉をもつたことはなかつたが、その朴訥な、どことなく飄逸な、耳の遠いせゐか無口な人がらに、いつの間にか好感よりも少しは深いものを抱くやうになつてゐたのだ。
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  • 1946, 坂口安吾, 女体:
    この人の立居振舞にはどことなく下卑た肉感がともなうので、素子は谷村が足繁く訪ふことに好感を持たなかつた。
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  • 1946, 宮本百合子, 播州平野:
    好感をこめて、ひろ子は幾度も鮎沢の茶の間の電燈の笠を見あげた。
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  • 1946, 織田作之助, 土曜夫人:
    好悪感情のはっきりしている陽子は、章三のような男のタイプには好感が持てなかった。
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  • 1947, 坂口安吾, 青鬼の褌を洗う女:
    私は平社員、課長、部長、重役、立身出世の順序通りに順を追うて口説かれたが、私は重役にだけ好感がもてた。
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  • 1947, 三好十郎, 猿の図:
    三芳 どうもねえ、しかし、僕なぞが君……(頸をかいたりする謙遜な態度が、実に自然な好感をにじみ出させる。
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  • 1947, 宮本百合子, 道標:
    伸子はその漫画に好感がもてなかった。
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  • 1947, 宮本百合子, 図書館:
    見かけよりはずっと奥ゆきの深い、いかにも桜木町辺の家らしい二階によったその集りには、非常に好感がもたれた。
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  • 1947, 宮本百合子, 二つの庭:
    それは、伸子に好感をもたせるものであった。
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  • 1947, 林芙美子, 崩浪亭主人:
    隆吉は、背の高い大柄な女が好きであつたが、その婦人は、自分の好みとは反對であつたけれども、如何にも好感の持てる風姿であつた。
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  • 1947, 織田作之助, 大阪の可能性:
    ちょうど、彼女たちが客と道で別れる時に使う「さいなアら」という言葉の「な」の音のひっぱり方一つで、彼女たちが客に持っている好感の程度もしくは嫌悪の程度のニュアンスが出せるのと同様である。
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  • 1948, 海野十三, 超人間X号:
    そのうえに、こんど博士が、大きな金もうけをさせてくれるといったのにたいし、好感をよせたのだ。
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  • 1948, 坂口安吾, ニューフェイス:
    このお店の感じが、特に好感がもてたし、それに、趣味の点で、このお店と私とに一致するものがあるんです。
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  • 1949, 三好十郎, 恐怖の季節:
    むしろ好感を持つ必要性や必要や利益の方が多いのではないかと自分では思っています。
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  • 1949, 宮本百合子, 今日の日本の文化問題:
    ヤミ市の元締であり新興マーケットの元締であり恐喝常習の暴力団であるこれらの徒党の検挙と団体の解散は、一般市民に好感をもってみられた。
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  • 1949, 木村荘八, 両国今昔:
    中に「申」とか「頂き」とかいふ名は日頃なじみの字なので、好感があつたものだ。
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  • 1950, 坂口安吾, 街はふるさと:
    せつ子は一目で、記代子が自分に好感をいだいたことを見ぬいていた。
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  • 1950, 豊島与志雄, 化生のもの:
    小泉美枝子は、容姿うるわしく、挙措しとやかで、そして才気もあり、多くの人から好感を持たれた。
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  • 1951, 正岡容, 吉原百人斬:
    この情熱、この天真爛漫さ、いかにも私は好感が持ててならないのであるが、余り他のこと許りは云へない、さう云へば私にも青春の果てちかく、残花のやうな女とふたり、さみだれの日を町中のホテルに、丁どまる一日、籠りに籠つて、その夜、女におくられて西下した。
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  • 1952, 豊島与志雄, 絶縁体:
    童話を書いたり飜訳物をしたりして貧しい生計を立ててる私の職業を、市木さんはたぶん知らなかったろうが、官吏でもなく会社員でもない私の人柄に、なんとなく好感を懐いたらしいことが、後になって私にも分ったのである。
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  • 1953, 神西清, 地獄:
    疣蛙とあだ名のついてゐるこの好人物に、少年は好感をもつた。
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  • 1953, 坂口安吾, 南京虫殺人事件:
    ほかの人にはむしろこうは云えないが、息がつまるほど好感のもてる令嬢だから、かえって狎れて、こう言いきる以外に仕方がなかったのである。
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  • 1953, 坂口安吾, 都会の中の孤島:
    店の主人は引揚者の夫婦で、この商売に経験もなく、また内心好感をもたないどころか嫌悪の念さえいだいていながら、暮しのために仕方なしにやってるような様子があった。
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  • 1953, 豊島与志雄, 山吹の花:
    綾子もFさんに好感を持っていて、その打明け話に笑い声を立てた。
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  • 1954, 坂口安吾, 桐生通信:
    ウカウカすれば隣人の目の玉もぬく機敏さが露骨で、むしろ好感がもてるのである。
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