Citations:涼む

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Japanese citations of 涼む

  • 1885, 三遊亭圓朝, 業平文治漂流奇談:
    兄蟠龍軒は別間に居りましたが、夕方になりましたから庭へ水を打って、涼んで居ります処へ来たのは阿部忠五郎という男でございます。
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  • 1888, 三宅花圃, 藪の鶯:
    その宮崎と涼みに出かける約束だから今にくるだろう。
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  • 1893, 若松賤子, 黄金機会:
    考へる中にフト思ひついたことが有つて、手を拍ち升た、さうだ/\、さうしよう、此|葦洲と此朝顔、これを上へ這はして丁度|好涼み場になる、玉蜀黍畑によく見えるこゝへと独りで合点した、折しも朝飯が出来たとて、母の声で呼ばれ升た故心に楽しみある身は、何より軽く、トン/\跳ねながら家へ参り升た。
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  • 1894, 泉鏡花, 義血侠血:
    涼むんならこういうときじゃないか。
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  • 1897, 清水紫琴, 誰が罪:
    伊予簾の内や床しき爪弾の音に、涼みながら散歩する人の足を止めて覗へば。
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  • 1900, 泉鏡花, 三枚続:
    「おかしゅうございましょう、先生、檜舞台の立女形と私等みたような涼み芝居の三下が知己ッてのも凄じいんですが、失礼御免で、まあ横ずわりにでもなって、口を利くのには仔細がなくッちゃあなりませんとも。
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  • 1902, 正岡子規, 病牀六尺:
    余が幼き時|婆々様がいたく蟇を可愛がられて、毎晩夕飯がすんで座敷の縁側へ煙草盆を据ゑて煙草を吹かしながら涼んで居られると手水鉢の下に茂つて居る一ツ葉の水に濡れて居る下からのそのそと蟇が這ひ出して来る。
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  • 1903, 国木田独歩, 女難:
    けれどもまず平穏無事に日が経ちますうち、ちょうど八月の中ごろの馬鹿に熱い日の晩でございます、長屋の者はみんな外に出て涼んでいましたが私だけは前の晩寝冷えをしたので身体の具合が悪く、宵から戸を閉めて床に就きました。
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  • 1905, 夏目漱石, 吾輩は猫である:
    皮を脱いで、肉を脱いで骨だけで涼みたいものだと英吉利のシドニー・スミスとか云う人が苦しがったと云う話があるが、たとい骨だけにならなくとも好いから、せめてこの淡灰色の斑入の毛衣だけはちょっと洗い張りでもするか、もしくは当分の中質にでも入れたいような気がする。
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  • 1907, 泉鏡花, 婦系図:
    「夫人が言いましけえ、お涼みなさりますなら雨戸を開けるでござります。
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  • 1910, 夏目漱石, :
    晩食の後御米といっしょにまた縁側へ出て、暗い所で白地の浴衣を並べて、涼みながら、画の話をした。
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  • 1911, 森鴎外, :
    もう時候がだいぶ秋らしくなって、人が涼みにも出ぬ頃なので、一時人通りの絶えた坂道へ岡田が通り掛かると、丁度今例の寂しい家の格子戸の前まで帰って、戸を明けようとしていた女が、岡田の下駄の音を聞いて、ふいと格子に掛けた手を停めて、振り返って岡田と顔を見合せたのである。
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  • 1914, 與謝野寛、與謝野晶子, 巴里より:
    旅館の食堂で夜食を済ませた後で自分達は明るい街の人通りを眺め乍ら遅く迄|或珈琲店に涼んで居た。
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  • 1916, 森鴎外, 渋江抽斎:
    これから汐湯に這入って、湖月に寄って涼んで来ます。
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  • 1920, 牧野信一, :
    涼みながらまあ行つてらつしやいな。
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  • 1923, 甲賀三郎, 真珠塔の秘密:
    上野の山内は白く浮いて出る浴衣がけの涼みの男女の幾群かが、そぞろ歩きをして居た。
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  • 1924, 岡本綺堂, 水鬼:
    まあ、半分は涼みがてらに……。
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  • 1924, 岡本綺堂, ゆず湯:
    わたしが夜の九時頃に涼みから帰ってくると、徳さんの家のなかから劈くような女の声がひびいた。
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  • 1925, 岡本綺堂, 離魂病:
    門前の右どなりは僕の叔父の屋敷で、叔父は涼みながらに門前にたたずんでいると、西岡は透かし視て声をかけた。
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  • 1925, 国枝史郎, 大捕物仙人壺:
    それは実に嘉永元年夏の初めのことであったが、母のお琴はお染を抱きながら、裏庭の縁で涼んでいた。
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  • 1926, 岡本綺堂, マレー俳優の死:
    じゃあ、どうです、表へ出て涼みながら散歩しようじゃありませんか。
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  • 1926, 牧野信一, 毒気:
    ――そして良子は、栄一を伴れて外の方へ涼みに出かけた。
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  • 1927, 岡本綺堂, 蜘蛛の夢:
    今夜も暑い晩で、近所の家では表へ縁台を出して涼んでいるらしく、方々で賑やかな笑い声もきこえますが、わたくしは泣き出したいくらいに気が沈んで、門端へ出ようともしませんでした。
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  • 1927, 島崎藤村, 山陰土産:
    私達は應擧の畫を見て囘るよりも、庭から好い風の通つてくるところで涼む方が先だつた。
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  • 1928, 岡本綺堂, 白髪鬼:
    わたしが英国大使館前の桜の下を涼みながらに散歩していると、伊佐子さんがあとからついてきて、一緒に話しながら小一時間ほど歩きました。
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  • 1928, 林芙美子, 新版 放浪記:
    物干に出て涼んでいると、星が馬鹿に綺麗だ。
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  • 1930, 小林多喜二, 工場細胞:
    昼のほとぼりで家の中にいたまらない長屋の人達は、夕飯が済むと、家を開けッ放しにしたまゝ、表へ台を持ち出して涼んだ
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  • 1930, 平林初之輔, 夏の夜の冒険:
    というのは、最後の客を送り出して、食堂の掃除をすました女給たちが、まだエプロンをつけたまま家の前へ出て涼んでいたからだ。
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  • 1931, 海野十三, 麻雀殺人事件:
    「そうですね、あの時はあまり蒸し暑くて苦しかったものですから、となりの電車の箱との通路になっているところの窓をあけて涼んでいました。
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  • 1932, 岡本綺堂, 西瓜:
    折りから主人の朋輩の池部郷助というのが来合せて、奥の八畳の縁さきで涼みながら話していた。
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  • 1932, 魯迅, 白光:
    この庭は彼の家がまだこれほど落ち目にならぬ時、夏になると彼の祖母と共に毎晩ここへ出て涼んだ
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  • 1932, 魯迅, 狂人日記:
    そこで想い出したが、わたしが四五歳の時、堂前に涼んでいるとアニキが言った。
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  • 1933, 牧野信一, 真夏の朝のひとゝき:
    水道栓の傍らには素人製のベンチがあつて、涼みがてらの老人やら水汲みの人達で終日賑はつてゐた。
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  • 1933, 林芙美子, 落合町山川記:
    武藤邸の前にはアルプスと云う小カフェーがあって、小さい女給さんが、武藤邸の電信柱に凭れて、よく涼みながら煙草を吸っている。
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  • 1934, 岡本綺堂, 怪獣:
    暮れても暑い上に、突然こんな事件に出逢ったので、涼みながらの散歩が却って汗を沸かせる種となった。
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  • 1935, 永井荷風, すみだ川:
    人家の軒下や路地口には話しながら涼んでいる人の浴衣が薄暗い軒燈の光に際立って白く見えながら、あたりは一体にひっそりして何処かで犬の吠える声と赤児のなく声が聞える。
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  • 1935, 長谷川時雨, 勝川花菊の一生:
    近くなったので勝川おばさんは涼みながら来ては、蛇三味線を入れるの、明笛も入れるのと話していた。
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  • 1937, 宮本百合子, 築地河岸:
    おでこから頸のまわりへ真白く汗しらずを塗られた浴衣姿の小さい男の子が手に赤い豆提灯をぶら下げたまま、婆さんにおんぶされて涼んでいる姿など、いかにも下町のこの辺らしい。
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  • 1937, 宮本百合子, 鏡の中の月:
    快く梳けずられてゆく長いたっぷりした髪を背中にさばいて、濡縁のところで涼んでいると、何心なく持っていた手鏡の中に小さく月がうつっている。
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  • 1937, 倉田百三, 光り合ういのち:
    私は姉と少し離れた草地にテントを張った氷店で、涼みながらお神楽の初まるのを待った。
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  • 1938, 海野十三, 浮かぶ飛行島:
    暑くるしい夜をそこに涼んでいたらしい一人の苦力がびっくりしてとびおきた。
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  • 1938, 田中貢太郎, 隧道内の怪火:
    新らしく乗りこんだ一人の車掌が、熱くてしかたがないので、展望車のデッキに出て涼んでいると、何かしら冷たいものが背筋を這うたような気がした。
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  • 1939, 上村松園, 京の夏景色:
    沢山の涼み客がその床几に腰をかけ扇子を使いながらお茶をすすったり、お菓子をつまんだり、またお酒を汲みかわしたりして居るのです。
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  • 1939, 宮本百合子, 犬三態:
    この夏、弟の家へ遊びに行って、甃のようになっているところの籐椅子で涼もうとしていたら、細竹が繁り放題な庭の隅から、大きな茶色の犬が一匹首から荒繩の切れっぱしをたらしてそれを地べたへ引ずりながら、のそり、のそりと出て来た。
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  • 1946, 宮本百合子, 青田は果なし:
    ヤグラの上で、盆祭りの赤い腰まきを木の間にちらつかせて涼んでいる農家のかあさんたちは、この稲田の壮観と、自分たちの土地というものについて何と感じているだろうか。
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  • 1946, 織田作之助, アド・バルーン:
    そして戎橋を越え、橋の南詰を道頓堀へ折れ、浪花座の前を通り、中座の前を過ぎ、角座の横の果物屋の前まで来ると、浜子と違って千日前の方へは折れずに、反対側の太左衛門橋の方へ折れて、そして橋の上でちょっと涼んで、北へ真っ直ぐ笠屋町の路地まで帰るのです。
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  • 1947, 宮本百合子, 道標:
    一旦つけた灯をまた消して、二人は露台へ涼みに出た。
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  • 1947, 宮本百合子, 二つの庭:
    夏の宵闇に涼みながら、ソヴェトへの国賓のとりざたをきいていると、伸子は、ロシアという国に錯綜している古さ新しさについて、またそれをとりかこむ国々の人の好意のなかにさえある古さと新しさ、利害のまじりあいについて、複雑な心持がした。
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  • 1949, 木村荘八, 両国界隈:
    されば貴人の馬車、富豪の自動車の地響に午睡の夢を驚かさるゝ恐れなく、夏の夕は格子戸の外に裸体で涼む自由があり、冬の夜は置炬燵に隣家の三味線を聞く面白さがある。
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  • 1949, 木村荘八, 両国橋の欄干:
    歌にも「夏の涼みは両国……」のときまりにいひ、「川風寒くちどり啼く」とはまた違つた風が吹き渡つたやうに思ふのである。
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  • 1951, 宮本百合子, 貧しき人々の群:
    店先に床几を持ち出して、蚊燻しをしながら唄ったり踊ったりの陽気さに、近所の女子供まで涼みがてらその囲りに立って見物をする。
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  • 1954, 久生十蘭, あなたも私も:
    土地っ子と組になって、この澗で泳いでいたころ、日があがって水がぬるむと、洞の口からもぐりこんで、奥へはいって涼んだものだった。
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  • 1956, 小金井喜美子, 鴎外の思い出:
    人通りもありませんから、夜はよく出て涼みました。
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