Citations:燻す

Japanese citations of 燻す

• 1906, 島崎藤村, 破戒:

  高柳は煙草を燻し／＼黙つて二人の談話を聞いて居た。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1922, 長谷川時雨, 夏の女:

  要するに、堅い上皮を黒く燻してしまつて、その上をいろどらうとするからをかしくなるのである。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1926, 佐左木俊郎, 芋:

  彼は毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑色が乾着いている、刃先の白い坏を担いで、鉈豆煙管で刻煙草を燻しながら、芋蔓の絡んでいそうな、籔から籔と覗き歩いた。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1930, 佐左木俊郎, 都会地図の膨脹:

  甚吉は煙草を燻していて、彼等の方には見向きもしなかった。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1931, 坂口安吾, 竹藪の家:

  それから、彼自らの塋墳は、彼の弛ゆみない探索によつて探し当てたものであつたが、墓地の全く片隅の湿りの深い垣根際に、無花果のバサバサとした葉の陰に、鈍くブスブス燻されてゐた。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1933, 坂口安吾, 麓:

  冷めたい部屋に端坐して多彩なものを燻しながら濡れた鼻髭を思ふ一人の女。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1939, 久生十蘭, 海豹島:

  いずれも燻製のように燻され、青銅色に薄黒く光っていた。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1942, 泉鏡花, 夜叉ヶ池:

  ……晩方｜閉込んで一燻し燻しておくと、蚊が大分楽になるよ。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1946, 神西清, 灰色の眼の女:

  それもイギリス型の紳士といふと、長身｜瀟洒のうちにもどことなく燻しのかかつた、悪くいへば些か爺むさい、良くいへば鷹揚な――さうしたところのあるのが定石らしいが、小幡氏のはそれとは裏はらに、小型でぴりりとした生地に、一種のスノビスムの加はつた別様の紳士ぶりである。

  (please add an English translation of this quotation)

• 1951, 宮本百合子, 道標:

  食料品販売所のドアをあけて入ると、その内部は冬の間じゅうより奥が深く暗く感じられ、ゆるんだ店内の空気に、床にまかれている濡れオガ屑の鼻をさすような匂いと、燻製魚類の燻しくさい匂いとがつよくまじった。

  (please add an English translation of this quotation)